いびき・睡眠時無呼吸症候群

いびき・睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠中に全身の筋肉が緩み、鼻や喉など息を通すところ(気道)が狭くなり、ここを無理矢理息を通すために気流が乱れ、鼻や喉が振動して出る音がいびきです。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に気道が塞がり何度も呼吸が止まったり,浅くなったりして体の低酸素状態が発生し、様々な合併症(高血圧,脳卒中,心筋梗塞などの虚血性肺疾患)を起こす病気です。
いびきは、睡眠時無呼吸症候群の症状の1つです。

原因

慢性的な原因として肥満や口呼吸、骨格(下あごが小さい)、扁桃腺やアデノイドの肥大など、一時的な原因としては疲労や飲酒、枕が合っていないなどによっていびきが出現しやすくなります。一般的には男性の方が多いですが、睡眠時無呼吸症候群の患者の30%は女性の方です。
女性のいびきや睡眠時無呼吸症候群の原因として、女性ホルモンの分泌低下が考えられます。女性ホルモンは上気道を構成する筋肉を緊張させる働きがあります。 しかし、更年期では女性ホルモンの分泌低下に伴い、気道の開大がうまく行かなくなりいびきや無呼吸になります。
また、男性がいびきをかきやすいのは、男性は上半身に脂肪がつく内臓脂肪型肥満になりやすいためといわれています。

症状

いびきが一過性であれば、そこまで気にかける必要はありません。朝まで常時続いたり、強弱があったり、仰向けに寝ると大きくなるいびきは、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるため注意が必要です。また、呼吸ができずにしばらく止まり、しばらくした後にまたいびきが再開するようないびきは危険です。
眠時無呼吸症候群の症状として、多くは日中の眠気や倦怠感を伴います。 夜間に息苦しさで何度も目が覚めたり、起床時に頭痛がしたりと、日常生活に支障をきたす場合もあります。
特に、いびきや無呼吸は睡眠中のため自身で気づくことができないことが多く、ご家族や周りの方からの指摘によって気づくケースが多いため指摘を受けた方は一度受診されることをおすすめします。

治療方法

いびきの治療は、鼻の症状の有無をまず確認します。鼻の症状がある場合、耳鼻科的検査と治療をおすすめします。これによって、いびきが改善することがあります。
鼻の症状がない場合には、いびきが一過性なのか、慢性的なのかによって睡眠時無呼吸症候群の検査・治療へ移行します。
当院では、睡眠中の酸素濃度などを計測するアプノモニターという機器を貸し出して自宅で簡易検査が可能です。そのため、普段の環境における睡眠状況を計測することができます。簡易検査の結果、精密検査が必要な方もご自宅で検査が可能で入院による精密検査より低価格で検査が可能です。
治療法として、睡眠時の姿勢を工夫する、飲酒を控える、適正体重を維持する、禁煙などの生活習慣の改善やマウスピース治療などありますが、検査結果によりCPAP療法という最も普及している治療を行うことができます。
このCPAP療法は、専用の機器を装着し、エアチューブから圧力をかけた空気を送り続けて気道を開かせるもので睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。